エックス線(X線)・放射線に関すること(9)分析装置の測定誤差および校正

コラム

ばらつき(偶然誤差)とかたより(系統誤差)

誤差には真の値の周辺にランダムにばらつく誤差(ばらつき)と、真の値から一定の蛍光をもってある方向にずれる誤差(かたより)があります。分析装置には「校正」が必要ですが、この校正とは計量標準を用いて個々の計測器のかたよりを推定し補正することです。ここで注意いただきたいのですが、かたよりは修正できますが、同じものを測ったときのデータのばらつきが大きい(繰り返し性・再現性が低い)装置ですと校正は容易ではありません(電気基板の向上や設計自体を見直さなければならないため)。

「ばらつき」と「かたより」のイメージ


SKYRAY Instrument社製蛍光エックス線装置は主に、計量標準を実際に測定して検量線を作成して検量線のエックス線強度と実際の試料の強度を測定する「検量線法」を採用しています。エックス線は基材によってエックス線強度の出方も異なってくるため、既存の検量線にマッチしていない試料を測定すると「計測値が真値とずれている」とお客様からご指摘を受けることがあります。

 

その時はお客様に「ばらつき」と「かたより」の違いについて述べ、お客様のニーズにあった検量線を作成することで「かたより」は修正できるとご説明しております。

 

すごく単純化して説明いたしますと、Y=2Xの関係があるアプリケーションに、Y=3Xの検量線を使ったとします。エックス線強度を示すYが6である時、真の値が3であるべきところをコンピューターの予測は2となります。ここで傾きを変えてあげれば校正できるというわけです(もちろん実際にはもっと複雑です)。

Skyrayソフトウェアの検量線作成画面

注意: Skyray InstrumentsのソフトウェアではRoHS分析・合金分析・貴金属分析・鉱物土壌用分析の検量線をご提供していますので検量線作成が必要になるのはこれら以外のアプリケーションについてです。

 

問題になるのは校正できない「ばらつき」の方ですが、Skyray社のハードウェアのコンポーネンツは名の知れたサプライヤーから仕入れておりますので、バラツキは少ないという評価をお客様からいただいております。

「Genius XRF」の蛍光X線スペクトルと測定結果の標準偏差

ケイ素(Si)測定結果

リン(P)測定結果

※測定の再現性は元素によって異なりますので、装置をお探しのお客様は事前にお問い合わせください。

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(9)分析装置の誤差および校正

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