FTIRを理解するための数学的知識(2)eってどんな数? ~ ネイピア数e、指数関数の導関数の導出、オイラーの公式の導出

コラム

自然対数の底e(ネイピア数)

自然指数関数(以降単に指数関数と言います)は、それ自身の導関数と等しくなるため、

微分・積分においては欠かせない存在です。

またフーリエ変換の解説でも頻出するオイラーの公式

という超重要な定理もネイピア数が元になっています。

ネイピアというのは対数の発明者の名前です。
[参照:ジョン・ネイピア(Wikipediaより)]

本項では上式(1)の導出法について見て行きます。

ネイピア数の定義

まずネイピア数の定義ですが、

指数関数の導関数の導出

次に(1)の導出ですが、最後に出てきますのでネイピア数の定義式を覚えておいて下さい。

「ある」指数関数の導関数は元の関数に比例することがわかります。

ここで「k=1となるbを選べば使い勝手がよくなる」と考えて...

定義式よりbはeであることがわかります。

以上、完全な導出は「対数関数から始め極限値が収束するかを確認し、」と長くなりますが、

オイラーの公式の導出

オイラーの公式の導出には(1)の関係とテーラー級数展開を使います。

テーラー級数展開とは、無限回微分可能な関数 f(x) から、負冪の項を持たない冪級数を得ることを言います。

上の式はf(x)の「x=aのまわり」のテイラー級数展開と言います。

またx=0の時を特別にマクローリン級数展開と言います。

と実にシンプルな級数で表示されます。

さて、オイラーは大胆にもこの式のxにixを代入したのだそうです。

オイラーはさらにこの式の実数項と虚数項を別々にまとめなおしました。

ただし、「当時指数関数が複素数にも拡張できるかわからず、また和に影響を与えずにいつでも項の順序を変えられる有限和と違い無限級数で同じことをすると和が変わってしまうという可能性もありました。あるいは収束級数が発散級数に変わってしまうリスクもありましたが、当時はゆっくりと議論で遊ぶ余裕があったのです。とにもかくにもオイラーの公式はその正当性について厳格な試験にも耐えるものでありました。」

((以上引用 岩波書店刊「不思議な数eの物語」E・オマール著、伊理 由美 訳)

さて、オイラーの公式から指数関数も周期性をもつことがわかります。FT-IRのソフトウェアで行われている高速フーリエ変換ではこの指数性と周期性を巧みに利用して離散フーリエ変換における膨大な数の複素数演算を飛躍的に短縮させています。

FTIRを理解するための数学的知識
[ツール] 常用対数表
log_tables_ver1.xls
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(2)eってどんな数? ~ ネイピア数e、指数関数の導関数の導出、オイラーの公式の導出

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