エックス線(X線)・放射線に関すること(3)蛍光X線装置の構造

コラム

エックス線(X線)・放射線に関すること

(3)蛍光X線分析装置の構造

前頁までX線の発生原理について見て来ました。

次に一般的なエネルギー分散型蛍光X線装置の構造についてご説明して参ります。

 

基本的には「高圧電源」、「X線管」、「フィルター」、「コリメーター」、(「試料」、)「検出器」、「増幅器」、「ADC」、「PC」となります。

[X線管・高圧電源]

まずはX線管の構造を見ていきます。

X線管は陰極であるフィラメントと陽極ターゲットで構成されます。フィラメントに10~20V程度の電圧をかけて大電流を流すと、自由電子が熱エネルギーを得てその一部がフィラメントから飛び出します。フィラメントから飛び出した電子は陽極との間に印加された高電圧(管電圧)で加速され陽極ターゲットに衝突します。このとき、高速で運動していた電子の運動エネルギーの一部が変換されてターゲットからX線が発生します。(ちなみにこのX線への変換効率は一般的にわずか1%~3%程度で残りは熱エネルギーに変わります。そのため各社変換効率を高める工夫をしています。)

[コリメーター]

コリメーター(collimator)とは、平行光線を作る部品のことです。

Wikipedia「コリメーター」にわかりやすい図が掲載されていますのでご覧いただければと思います。

[フィルター]

散乱X線の侵入を抑え、特定波長のX線を選択する部品です。

[X線検出器]

X線検出器には計数管、Si-PIN半導体検出器、およびSDD(シリコンドリフト)検出器が一般的ですが、SKYRAY INSTRUMENTは最上位のSDD検出器の機能を向上させたUHRD(Ultra High Resolution Detector─超高分解能検出器)を開発しました。

EDX Pocket III・EDX 1800BにはSi-PIN検出器、Genius 3000にはSDD検出器、EDX 3600HにはUHRD検出器が搭載されています。

検出器パフォーマンス比較表

  Si-PIN検出器 SDD検出器 UHRD検出器
 
最高エネルギー分解能 149 eV 128 eV 127 eV
エネルギー分解能 160 eV 139 eV 135 eV
SN比 1100:1 3000:1 5000:1
計数率 0-20 Kcps 0-300 Kcps 0-300 Kcps
冷却方式 電子冷却 -45℃ 電子冷却 -20℃ 電子冷却 -20℃

■参考文献

・財団法人 電子科学研究所「エックス線の基礎─エックス線作業主任者講習会テキスト」

・SKYRAY INSTRUMENT社提供資料

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