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蛍光X線(EDX)分析装置

毒物劇物取扱者試験勉強法(4) ━ 憶えやすい項目を見つけ出そう!(劇物編A)



今回は劇物の2回目です。今回も思いきり主観の「出る順」で下記化合物をとりあげました: 詳細は個別に説明していきますが、
とりあえず選んだ理由を横に記します。


蓚酸「風化」が問われ頻出です。平成23年度の神奈川県の毒物劇物取扱者試験でも出ました。

ジクロル酢酸「刺激臭」がポイント。蓚酸を出したのでカルボキシル基つながりで取り上げました。

アクリルニトリル「引火性」・「催涙性」が問われます。平成23年度の神奈川県の毒物劇物取扱者試験でも出ました。

アクロレイン「引火性」・「催涙性」が問われます。平成23年度の神奈川県の毒物劇物取扱者試験でも出ました。

ブロムアセトン「催涙性」が問われます。

二硫化炭素「引火性」・「揮発性」が問われます。

硫酸銅「青色」絡みで問われます。

硝酸銀色がらみで問わます。 (塩化銀の白色、硫酸と銅くずを入れたときのNO2の色等。)

一酸化鉛一酸化鉛自体よりも希硝酸に溶かした後、硫化水素を通して生成する硫化鉛の「黒色沈殿」が問われます。平成23年度の神奈川県の毒物劇物取扱者試験でも出ました。

クレゾールオルト・メタ・パラについて問われます。

トルイジンオルト・メタ・パラについて問われます。

βナフトール構造がクレゾールに似ているのでここで一緒に憶えてしまいましょう。

ペンタクロロフェノール構造がクレゾールに似ているのでここで一緒に憶えてしまいましょう。

ダイアジノン有機燐系化合物・アルカリ分解法が特徴です。

DDVP有機燐系化合物・アルカリ分解法が特徴です。

[参考] 硫酸バリウム毒劇物ではありませんが重要ですので取り上げました。




さて、以下個別に見ていきましょう。

蓚酸

ジクロル酢酸

構造式・示性式

(COOH)2・2H2OCHCl2COOH

形状無色無臭の稜柱上の結晶。無色透明の液体
モノクロル酢酸・トリクロル酢酸は潮解性のある無色結晶)
溶け方

水に溶けるが、エーテルに溶けにくい。
水・アルコールに可溶。
重要な化学的特徴

空気に触れると風化する。刺激臭がする。腐食性も極めて強い。
毒性血中のカルシウム分を奪う
粘膜を刺激、腎臓を冒す。

皮膚や粘膜を腐食する。
用途水飴の製造、漂白剤

保管法 空気に触れると風化するので密栓して保存。
廃棄方法 燃焼法
蓚酸は何といっても風解か、毒性として血中のカルシウム分を奪われることから解毒剤に牛乳やカルシウム剤が使われるということを憶えなければなりませんし、憶えやすいと思います。また蓚酸の用途として「水飴」」というのが「劇物なのに食べ物?」という違和感があり、その違和感がポイントになって記憶に残りました。
またクロロ酢酸系のポイントは刺激臭腐食性です。その液体・蒸気が皮膚に触れたり吸入したりするとその部位が侵されることは容易にイメージが湧くと思います。また、「浄水過程において水道原水中の有機物質や臭素及び消毒剤(塩素)とが反応し生成される消毒副生成物質の一つ」だそうです。出展  「[PDF] 基28 13302 ジクロロ酢酸 1.物質特定情報 2.物理化学的性状 ...」



アクリルニトリル

アクロレイン
構造式・示性式

CH2CHCN CH2CHCHO

形状 無色透明の液体。
溶け方

水に溶けやすい。エタノール・ジエチルエーテルに溶ける。 水に溶ける。ほとんどの有機溶媒に溶ける。
重要な化学的特徴

微刺激臭がある。引火性がある。刺激臭がある。引火性がある。
毒性催涙性がある。吸入すると息苦しさ・息切れを感じ、他の症状に移っていく。
用途 合成繊維・合成ゴム・合成樹脂

医薬品原料
保管法

火気厳禁。適当な換気設備を備えた防火性貯蔵庫です。静電気にも注意する。
廃棄方法

燃焼法
合成繊維でよく知られているアクリルニトリルも劇物です。やはりそれまでよく耳にしていたものは馴染みがあり憶えやすいです。再三述べていますが、まず少しでも既知のものからつぶしていくことが膨大な情報量を憶える取っ掛かりとなります。本の最初でつまずきそうになったら、その箇所は読み飛ばしてやりやすいところから復活を心がけましょう。アクロレインも化学的性質はほぼ共通していますのでこの2つはセットで憶えてしまいましょう。さて、化学にあまり縁のなかった方でも、合成繊維は石油から作られてることはご存知の方も多いのではないかと思いますが、元が石油なのでやはり燃えやすいです。消防法においても「危険物第4類引火性液体 第一石油類 (第一石油類とは、アセトン、ガソリンその他一気圧において引火点が二一度未満のものをいう。 )」と分類されています。当然試験には頻出ですが、すぐ憶えられますので得点源になるかと思います。
両化合物とも反応性の高い有機化合物であるため、 強酸、強塩基、強酸化剤と反応したり、 加熱、日光、裸火、スパーク、静電気等の要因が加わると、激しく火災、爆発の危険性をもたらします。 また反応性の高さが毒性としての刺激性の高さに現れていて、蒸気を吸入するとまず呼吸器系がやられるために「息苦しさ」を感じますし、眼が刺激されて「催涙性」という症状で記述されます。当然飲み込むと様々な症状が出て「生命に危険」となります。とにかく私がイメージしたのは「よく燃え危ない蒸気」でした。それをイメージすれば廃棄方法も燃焼法で「燃やしてしまう」こともすぐ思いだせるかと思います。



ブロムアセトン

二硫化炭素
構造式・示性式

CH3COCH2Br

CS2
形状

無色透明液体 無色透明液体
溶け方

水に溶けにくく、アルコールに可溶。
重要な化学的特徴

引火性がある。
揮発性・引火性が高い
毒性

皮膚や眼に対する刺激性が強い。特に催涙性という症状が引き合いに出されることが多い。
用途

催涙ガス、有機合成原料
保管法

防爆型の電気機器、換気装置、照明機器、規制所管官庁が指定する機器を使用すること。
廃棄方法 燃焼法

↑「催涙性」・「引火性」という項目がアクリルニトリル・アクロレインに類似しているので取り上げました。ブロムアセトンは消防法第2条第7項危険物別表第1)で危険物第4類引第二石油類とされています。

二硫化炭素で注目すべきは上のリストには未だ載せていませんが、漏洩時の対処法です。少量のときは「漏洩した液は、水で覆った後、土砂等に吸着させて空容器に回収し、水封後密栓する。その後、大量の水を用いて洗い流す。 」、大量のときは「漏洩した液は、土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、水で覆った後、空容器に回収し、その後、大量の水を用いて洗い流す。この場合、濃厚な排液が河川等に排出されないように注意する。 」となっていることです。揮発性物質であること、比重が水よりも高いということ、および水に難溶であることを利用して水で覆うということがポイントです。憶えておきましょう。ちなみに消防法の分類では(第4類 特殊引火物)(液体)(危険等級1)となっています。



硫酸銅(II)・五水和物

硫酸バリウム(毒劇物ではない)
構造式・示性式

CuSO4・5H2O

BaSO4
形状

青色の透明感のある結晶 無味無臭の白色粉末または無色の板状あるいは柱状晶。
溶け方

水に溶けにくい 水には極めて難溶
重要な化学的特徴

加熱乾燥すると結晶水を失い、無水物となる(CuSO4・5H2O → CuSO4 + 5H2O)。さらに加熱すると黒色の酸化銅(U)と三酸化硫黄に分解する(CuSO4 → CuO + SO3)。硫酸バリウムは水に対して極めて難溶な物質であるため、硫酸塩の含まれる水溶液中に塩化バリウムを加えることで硫酸バリウムの沈殿を生成させて硫酸塩の定量分析に利用される
毒性
用途

顔料・メッキ 医薬用(X線造影剤)に用いられるほか、化学的に安定な性質を応用して塗料、プラスチック、蓄電池等に広く使用されている。
保管法

光で変質するので遮光容器に保存。
廃棄方法

不燃性なので可燃性溶剤と一緒に高温で焼却
↑硫酸バリウムは毒劇物ではありませんが
(「胃液や腸液に溶解せず、消化管から吸収されないので、バリウムイオンに起因する毒性はないとされる。このため、バリウム化合物は一般に劇物の指定を受けているが、硫酸バリウムは劇物から除外されている。」─Wikipediaより引用。「毒物及び劇物指定令 第2条79項ロ号)、「白色沈殿」が頻出で避けて通れませんので取り上げました。識別法等で問われますので憶えてください。
平成23年度の神奈川県の毒物劇物取扱者試験でも出ました。

硫酸銅は理科の実験でお馴染みです。その鮮やかな青色が記憶にある方も多いのではないかと思います。そこから「顔料」をイメージしましょう。また私は「塗る」ことつながりで「メッキ」をイメージしました。(正しくは銅の伝導性を利用したものだとは思いますが、自分で暗記するときはこじつけや連想が重要だということをお知らせしたいのであえて紹介させていただきます。)


硝酸銀

一酸化鉛

構造式・示性式

AgNO3

PbO

形状

無色または白色の結晶 黄色から赤みの黄色の粉末
溶け方

水によく溶ける。エタノールにやや溶けやすく、
エーテルに溶けにくい。

水にほとんど溶けない。
硝酸、塩酸、酢酸などの酸に溶ける。
水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ液に溶ける。
エタノールにほとんど溶けない。

重要な化学的特徴

感光性を持つ
毒性

タンパク凝固作用があり、皮膚を黒くする。
(イオン化傾向の小さいAgが、有機物から電子を奪ってAgを遊離するため)

眼や粘膜を腐食する。
飲み込んだ場合は胃痛、下痢などを起こす。
用途

写真・メッキ・試薬・鏡・医薬 顔料・塗料
保管法

遮光して冷暗所に保存。
廃棄方法

還元焙焼法により金属として回収する。

水に溶かし、食塩水を加えて沈殿ろ過する
↑硝酸銀ですが、化学の授業で銀も硝酸も頻出であり、特徴が多いので試験的に外せません。
強酸化剤であるためいろいろな部位を強く腐食しますが、上にもありますがやはり、皮膚を黒くするというキーとなる表現でしょうか。また、感光性があることから「遮光して保存」や「写真」に使われるのは連想しやすいと思います。さらに相手の電子を奪ってAgを遊離しやすいことから廃棄方法の「金属として回収する」のもわかりやすい、攻めやすい化合物ではないかと思います。

また廃棄法における「水に溶かし、食塩水を加えて沈殿ろ過する」という件の沈殿とは塩化銀(AgCl)の白色沈殿です。これは硝酸バリウムと同様、頻出というよりは必ずといっていいほど出される内容ですので必ず憶えましょう。


塩素酸カリウム

重クロム酸カリウム
構造式・示性式

KClO3

K2Cr2O7
形状

無色又は白色の結晶。 橙赤色の結晶。
溶け方

水に溶ける。 水に溶ける。アルコールには溶けない。
重要な化学的特徴

爆発性がある
(35%以上のものは
毒物及び劇物取締法施行令第5章の3で
規定されている爆発物に該当)。
強い酸化力を持つ。
強い酸化力を持つ。
毒性

 
用途

マッチの原料、酸化剤 酸化剤
保管法

火気厳禁。酸化作用があるので有機物や還元剤と離して保管
廃棄方法 中和法

還元沈殿法
↑酸化力の強いつながりです。用途に当然酸化剤が含まれます。還元沈殿法も酸化剤なので比較的イメージしやすいでしょう。 塩素酸カリウムの中和法というのが最初ピントきませんでしたが、違和感が印象の深さにつながり比較的暗記帳のチェックが早く進みました。また、重クロム酸カリウムの「アルコールには不溶」という性質が水には溶けないけどアルコールには溶ける化合物が多い中でレアケースだったので、印象に残りました。



クレゾール

構造式・示性式


o-クレゾール

m-クレゾール

p-クレゾール
形状

無色ないしは白色の結晶無色または黄色または黄褐色の液体無色の結晶
溶け方

水に2 g/100g(20℃) 有機溶剤(アルコール、エーテル)に可溶
水にやや溶けにくい(2.4g/100mL、20℃)。
水酸化ナトリウム溶液に溶ける。
エタノール、ジエチルエーテル、クロロホルムに極めて溶けやすい。
水への溶解度 1.9g/100g(25℃) 2) 通常の有機溶剤に可溶
重要な化学的特徴

フェノール臭がする
オルトクレゾール の毒性はメタクレゾールに比べると幾分強く、パラクレゾールに比べると幾分弱い。
毒性

腐食性が強い。皮膚や目につくと重い薬品火傷を起こす。蒸気吸入によりおう吐、不眠、虚脱、消化不良などから神経、腎臓が侵され死に至る。
用途

消毒剤・殺菌剤・防腐剤
保管法

火気を避け、遮光気密容器に保管。金属に近づけない。
廃棄方法

焼却法

クレゾールはメチル基とヒドロキシ基との位置関係の違いにより、以下の 3種類の構造異性体が存在するのがポイントです。 メタ体だけ液体なのに注意。フェノールに構造が似ているため、化学的性質も類似しています。フェノール臭(特異臭と書かれている場合もある)がすることや薬品火傷というフェノールで憶えた項目を再復習しましょう。また濃度による分類については覚えにくいのであとで記述がある化合物まとめて掲載しようと思っていますが、フェノールと同じく「5%以下は普通物扱い」です。

ダイアジノン

DDVP(ジメチル-2,2-ジクロルビニルホスフェイト)

構造式・示性式

C12H21N2O3PS

(H3O)2POOCH=CCl2PbO
形状

無色淡褐色のかすかなエステル臭のある透明な液体 刺激臭のある無色油状液体
溶け方

水に難溶、アルコールに可溶。水や希酸中で徐々に分解

水、アルコールに可溶。ほとんどの有機溶媒に溶ける。



重要な化学的特徴

毒性

人畜に対しては低毒性だが体内に入ると運動・言語障害等の有機リン系製剤特有の症状が出る。
有機リン系製剤特有の症状が出る。低毒性。
皮膚や目につくと炎症を起こす
用途

殺虫剤
保管法

廃棄方法

アルカリ法・燃焼法


参考リンク 昭和化学株式会社「化学物質等安全データシート」

一般社団法人日本芳香族工業会 「化学物質等安全データシート」



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