| 蛍光X線(EDX)分析装置 | やさしいFT-IRの原理(4)━ ランベルト・ベールの法則と吸光度スペクトル[ランベルト・ベールの法則] 前項でFTIRにおける測定では「吸光度」という単位を主に用いると述べました。 透過率 = I' / I 吸光度 = - log T (logは常用対数) 本項ではその理由を説明して参ります。 IRのスペクトルでは各波長成分における透過率または吸光度が連続的に表されるす(下図)ことはすでに述べました。これらを連続した波長成分のことを「波長域」または波長の逆数である「波数域」と呼びます(さらに私たちは連続した波数域に特に吸光度スペクトルが現れることを俗に「ピークが立つ」と呼んでいます)。ピークが立つ波長成分は人間の指紋と同じく化合物によって固有のものとなります。 [透過率スペクトル] [吸光度スペクトル] ![]() ご覧のように透過率スペクトルと吸光度スペクトルは上下逆さまな形になっています。 横軸は波数でありピークが立つ場所は化合物固有ですので定性するだけであれば透過率スペクトルを使ってもよさそうに思えてきます。しかしFT-IRの世界ではもっぱら吸光度スペクトルが用いられます。何故でしょうか? それは吸光度と濃度の関係は比例関係があるという「ランベルト・ベールの法則」に基づくことによりスペクトルに直線性が与えられデータの理解が容易になるからです。 A = -log T =εC・L 吸光度の単位としては英単語Absobance Unitの頭文字A.U.が使われます。 ε= 物質固有の吸光係数 C = 濃度 L = セル(光路)長 例えばセル長10cm、濃度が100ppmの時の吸光度(ある波数におけるピーク高さ)が0.05である化合物を次に測定した時のピークの高さが0.01になったとします。 ベールの法則により同じ装置で測っていればセル長は固定されておりεLは定数と見なせますので濃度と吸光度は比例関係にありますから、この時の濃度は20ppmであることがわかります。これが透過率表記だとどうなるでしょう? -log T=εCL → Tは10の (-εCL)乗なので濃度が3倍だとすると透過率は元の10の3乗分の1、10倍だと元の10の10乗分の1になるとは理屈ではわかってもイマイチピンと来ないのではないでしょうか? [リファレンススペクトル] さて、FT-IRによる分析ではレファレンス(参照)スペクトルとサンプルスペクトルとのピーク高さの比例関係を見ることで定量しています。 レファレンススペクトルとは濃度・セル長と吸光度の関係がわかっているスペクトルのことです。 FT-IR分析装置のメーカーでは基本的にリファレンススペクトルのデータライブラリも提供するわけですが、 このライブラリが豊富なほどそのFT-IR装置の使い勝手は増すことになります。MIDAC CORPORATIONでは FT-IRではPFC(パーフルオロカーボン)ガスやVOC(揮発性有機化合物)ガスを中心に豊富なリファレンススペクトルを 用意しています。 [各成分の和となって現れる吸光度スペクトル] ![]() 吸光度スペクトルですが、サンプル実測では上図のように混合成分のそれぞれの吸収ピークが重なった吸光度スペクトルが得られます。FT-IRでは事前に登録したレファレンススペクトルを合成したスペクトルとサンプルスペクトルを比較することで定性・定量を行うため登録しなかった成分については濃度計算しません。しかし実際に測定したスペクトルが保存されていればる後で未登録成分を登録しなおしてから再解析にかければちゃんと登録し忘れた成分についても濃度が得られます。この、後から再解析できるというのもFT-IRの利点の一つです。MIDAC FT-IRのソフトウェアはこの再解析機能が充実しています。FT-IRによるガス分析をお考えの方はぜひMIDAC製品をご検討ください。
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