| 蛍光X線(EDX)分析装置 |
やさしいFTIRの原理(5)─セルの検出測定濃度上限値・下限値[検出下限値] 「やさしいFTIRの原理(4)─ランベルト・ベールの法則と吸光度スペクトル」でFT-IRではセル長が同じならピークの高さは化合物の濃度と比例関係にあると説明しました。したがってサンプルのノイズが低くなるとピークの高さも低くなっていきベースラインに近づきます。ところがこのピークの高さを測るベースラインには装置のノイズがあり、ピークがノイズに隠れるようになります。 FT-IR測定ではこのピークがノイズに隠れピークかノイズかわからなくなる点を濃度の検出下限値と呼びます。ここで注意が必要なのはピークの高さ(シグナル)とノイズの大きさ(SN比:シグナルノイズ比)を同じレベルにとってしまうとソフトウェアの多変量解析の精度が落ちるため、一般的にシグナルノイズ比を2倍以上と設定し、このノイズレベルと同レベルのシグナルの濃度を検出下限値を計算することが多いようです。(※ただし、この2倍というのは下限値検出の目安に過ぎず、古典的最小二乗法で計算しているMIDACのソフトウェアAutoQuantではピークが2倍でも正確に測定できます。) [検出上限値] 「FT-IRの基礎」の項で「ランベルトベールの関係により吸光度と濃度は比例関係にあると述べましたが、サンプルの濃度を高くしていくと、主に(1)分子間力が働き吸光係数が変わる、(2)吸収が強く(透過率が低く)、赤外検出器に届く光子の量が少なく十分な線形応答が得られない等の要因でレファレンススペクトルとの直線性が崩れ予測精度が下がります。これには濃度がわかっているガスを実際に流し、そのスペクトルをソフトウェアに登録した後、ソフト設定を変更することで対応できます。下図)。 しかし、ガスの濃度が高くなっていくと赤外の吸収が大きくなり、つまり透過できる赤外線の光子がセルを抜け切れなくなり透過率が0を示します。ベールの法則で見た計算では透過率の対数の真数においてますので真数が0にはなり得ないのでPCがエラーを起こしスペクトルは表示されるものの全く使えない状態になります(下図囲み内)。 濃度計算ができなくなる状態に達します。このことを「飽和する」と言います。この時点を測定上限と呼ぶ場合もあるかと思いますが、私たちがお客様に予測値をお知らせする時は、ピーク対比で比例関係がとれず実ガスを流して見なければ予測できない時点を予測値と読んでいます。これはサンプルピーク高さが、検出器の種類によりますがMCT検出器では吸光度が0.5の時、DTGS検出器では1.0に達する地点の濃度を通常お知らせしています。 FT-IR関連よみもの
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